キネマ・ジャングル

国・年代・ジャンルを問わず、心に響いた作品について呟いてみる映画ブログです。

(少女+刀+銃)×イマジネーション=『エンジェル・ウォーズ』

こんにちは、キーノです。

 

今回は『エンジェル・ウォーズ』

 

原題は「サッカー・パンチ(Sucker Punch)」、「不意の一撃」くらいの意味でしょうか。

ザック・スナイダー監督、2011年のアメリカ映画です。

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Credit:ja.wikipedia

あらすじ

母を失った少女ベイビードールは、継父の策略で精神病院に容れられる。

5日後に感情を奪われる「ロボトミー手術」を受けさせられることになった彼女。

それを回避し脱出するため、イマジネーションの世界に没入する。そこで仲間の少女たちと共に、脱出に必要なアイテムを探すことになる。

 

何かと酷評も多い本作ですが、僕とても好きですね。

色んな解釈が出来て妄想が膨らみます。

 

オープニング格好良し!

オープニングが好みでかなり引き込まれました。

 

薄汚れた舞台の赤幕がスーと開くと、一台のベッドにポツンと膝を組む少女ベイビードール。

 

そして「Sweet Dreams(Are Made of This)」が流れ出す。

youtu.be

そこからベイビードールが辿る悲惨な行末がダイジェスト式で展開。

 

母を亡くしたベイビーが継父によって部屋に閉じ込められる。妹を襲わんとする継父。

二階の窓から壁伝いに脱出。継父に向かって銃を発砲するが誤って妹を死なせてしまう。

 結局、継父を撃つことが出来ず銃をその場に落とす。

 

すべての罪を着させられた彼女は精神病院に送られることに。雨の降る道中、車の窓を伝う雨水が形を変えてタイトル「Sucker Punch」の文字に。

 

このダークで洒落たスタートダッシュはとても好きです。

 

イマジネーションの世界

こうして精神病院に入った彼女は、あらすじの通り、イマジンの世界に没入します。

 

オープニングで彼女が非力な存在であることは明白。強者に搾取される弱き者こそ、イマジネーションを駆使する必要があるという納得の流れ。

 

この辺りから過激なファンタジー世界に入りますね。

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Credit:youtube

気がつくと彼女はヘソ出しミニスカのセーラー服姿。

賢者が登場し、脱出のためには5つのアイテムが必要だとベイビーに話す。

 

地図、炎、ナイフ、鍵、+何かで5つ。

 

第1の舞台は、第二次?大戦の戦場。地図を持つ敵はナチスのゾンビ兵士。

ベイビーは右手に日本刀、左手にハンドガンで超人的に戦う。

 

確かに中学高校の授業中にこんなこと考えてました。思わずニヤリ。

 

第2の舞台が中世のお城で、炎を持つ敵はドラゴン。第3が近未来で、敵はAIロボット。 

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Credit:youtube

ただこの反復が続くとちょっと怖いなとも感じました。

イメージの世界なので、敵にど突かれても傷が一切つかない。

巨大ハンマーで吹っ飛ばされても、炎吐きかけられてもキレイなご尊顔が保たれる。

 

痛みの蓄積が無いバトルの繰り返しはさすがに飽きが来るのではと懸念。

このままアイテムゲットして無事脱出でメデタシだと完全アウトでしたが、幸いかな急にストーリーが展開し始めます。

危ない、良かった!

 

主人公は最初からスイートピー?

さて本作楽しいはストーリー解釈で遊べるところ。

 

普通に考えると主人公はベイビードールでしょうが、ただちょっと疑問が。

(以下ネタバレ含みます)

 

 

すべてが終わり現実に戻った後、生き残った仲間のスイートピーがバスに乗りますね。

そこにベイビーの想像の中にしかいないはずの少年と賢者が登場します。

なぜ?ベイビーの顚末を考慮すると実に不思議です。

 

そこでこんな解釈が出来ます。

 

つまり主人公は最初からスイートピーで、ベイビーも賢者の老人もすべて彼女の想像、いや想像力だった説。

 

その理由として、本作の最初と最後にスイートピーの声セリフが入ります。

 

最初のはこんな感じ…

 

誰にでも天使がついている。様々に形を変えて、ある日は老人、次の日は少女になる。

外見は優しいけど、中には荒々しいドラゴンが。でも戦ってはくれない。

ただ心の奥からあなたにささやく。誰にでも世界を変える力があると。

 

この天使というのがスイートピーの中に眠る想像力で、少女や老人に形を変えて現れていたとしたら?

 

そして最後のセリフはこんな感じ…

 

自由への鍵は想像力。武器はそろってる。さあ戦って。

 

劇中における戦うための武器、それは5つのアイテムです。

完全ネタバレですが、謎の5つ目はベイビードール本人でした。

そしてベイビーを象徴するのは「想像力」。

 

要するに最初からベイビーはスイートピーの想像力であり、戦いへの意志を諭す天使だったのではないでしょうか。

 

そうするとクライマックスで、ベイビーがスイートピーに脱出を促したのも、「ここから出て現実と戦って」と言っているようです。

 

というより、本作はどこから現実でどこまでが虚実がとても曖昧。

舞台の幕が上がる時点で、最初からすべて想像世界の話かもしれません。

 

…っという妄想遊びも出来て、かなり僕の中ではカルト化しそうです。